2006-07-29  熱海で遊ぼ!かんちゃん・・

長い梅雨が終わると共に夏モード全開です。
やはり最近の気候はおかしい・・世情もおかしい・・何かがおかしい・・
小生の代は何とか大丈夫だろうけど、子どもたちの代になったら、世の中どんなになってしまうのだろう?
ビーチで浮かれている場合ではないのですが・・それはそれ・・ビーチはカラフル全開、夏だ!!
毎日たくさんのお客様にご利用頂き、感謝!感謝!です。
今年は本当に毎年おなじみのお客様が多くなって、これも感謝!感謝!です。
「忙しかったので・・」などと、言い訳することの無いよう、気合い入れて頑張ります。

さて・・・
先日、熱海市街の尊敬する大先輩、かんちゃん(ちゃん付けですみません)・・から、お誘いがあって、『熱海で遊ぼ!』の会合に出席させて頂きました。
『熱海で遊ぼ!』はフリーペーパーとホームページ(http://www.atamideasobo.com/)で、熱海のおもしろさを発信しようというもので、市内の商店経営者が管理運営しています。
遊びに来てくれるお客様の気持ちになっての情報発信を考えています。
かんちゃんはこの親分でした。
軽い気持ちで・・きっと、夜の会合だからおやじが集まってあれやこれや・・かな?・・と思っていましたが、茶髪のお兄ちゃんや、フカキョンみたいなお姉さんや、タンクトップの若者から、白髪頭のおじさんまで・・老若男女。
面白いことなら・・頑張るぞ!!ってな雰囲気でした。
田舎では何をやるにも時間がかかります、都会のテンポの良い進捗はなかなか望めませんが、街が住人側の意向ではなく、訪れる人たちの意向を大切にすることは、絶対必要なことなのです。
そんな流れの中での『熱海で遊ぼ!』・・・小生も期待大です。
情報量はかなり・・でも、なんかつまんない・・今はそんなHPです。
でも、見てね!!

話は元に戻って・・かんちゃんのお話。
世話好きで、気が良くて・・頭が良くて、酒癖が悪い(ごめんなさい)・・
人の魅力を集約してしまったような方です。
小生、何か悩みがあると会うことにしているのですが、悩みを話さなくてもスッキリして帰ってこれるのです。
持論を話し始めたら、誰も止められなくて、お役人様も舌を巻いて逃げ出す始末です。
そんな彼の周りには、タクシー屋さん、焼き肉屋さん、コンパニオン屋さん、干もの屋さん、たくわんやさん・・そして、小生のような宿屋さん。
たくさんの方が集っておられます。
熱海もまだまだ捨てたもんじゃないぞ!!です。
先日の会合・・・
すぐ帰ってこようと・・悩みつつも・・車で出向いた私が間抜けでした。
車は駐車場で一泊になってしまい、あーじゃ!こーじゃ!と酒を飲んでは大騒ぎ・・いつものパターンでした。
1時間くらいなら良いだろ?・・この言葉にはこれから注意します。
誰かに送られて・・午前様寸前で帰ってきました。

かんちゃん、ネットとかメールとか・・勉強しなっくっちゃ!!
できないなんて行ってたら、何もできない。
できないことをできるようにする・・全てはそうでしょ!!
と、大きな事を・・酔った勢いで・・大先輩に・・話した様な気がします。

翌日お昼頃・・・
昨日はありがとう・・・携帯電話にかんちゃんからのショートメールが入っていました。
なんか・・・嬉しい、楽しい気分の小生です。
夏が終わって、少し時間がとれるようになったら・・
熱海で遊ぼ!! ねっ! かんちゃん!

2006-05-27  涙(なだ)そうそう・・

今年は、五月雨が続きます。
毎月一回は何とかカキコ・・の、ひとりごと・・でしたが、またまたお久しぶりになりました。
GWが終わり、ここ観光地はすっかり静かになってしまいました。
毎年の事なのですが、今年は五月雨もあってか、尚一層静かな感がします。
お客様から・・最近書いてないね・・と、一言、
それだけで、あぁ・・おやじの独り言・・と、わかります。
来月は、いよいよ50歳になります。
宿のおじいさんの独り言になるまで・・お付き合い願います。

さて、3月末に近所の老舗割烹旅館が80年ののれんを降ろしました。
K大卒の温厚で素晴らしい社長さんに、
小生が駆け出しの頃から、それはそれはお世話になりました。
小生にとっても地域にとっても誠に残念な事でした。
諸事情があるのは理解しなければいけないところなのですが、だただた・・無念・・
先日、お疲れ様の宴が開かれて、久々に社長さんの横文字の歌を堪能させて頂きました。
・・・愛さずにはいられない( I Can’t Stop Loving You) ・・久々に聴きました。
ロマンチストで、数字に強い、やさしい、そして明るい・・社長さんです。
好きだけではできない・・熱意だけでもできない・・努力だけでもできない・・・
全てが揃わないと、できないのが旅館なのでしょうか。
おもてなし&経営・・の難しさを痛感致します。
でも、久しぶりに良いお酒で、寂しい顔も湿った感もなく、ゆっくり杯をかわしました。
同じ時代に、同じ方向を向いて頑張っている仲間です。
結果を評価されますが、課程を評価したいものだと思います。

宴も最高潮になり・・
誰が選曲したのかもわかりませんでしたが、
おやじがそろって・・声を張り上げて・・大合唱。
♪♪♪
古いアルバムめくり
ありがとうってつぶやいた
いつもいつも胸の中 励ましてくれる人よ
晴れ渡る日も 雨の日も 浮かぶあの笑顔
想い出遠くあせても
おもかげ探して よみがえる日は
涙(なだ)そうそう
♪♪♪

涙(なだ)そうそう・・・宿のおやじはロマンチストです・・・

2006-02-19  漫画は強い!

立春大吉。
暦の上では春です。
今年は寒さで開花が遅れていた熱海梅園の梅も、何とか例年に追いつこうと、一斉にほころび始めました。
まだまだ寒い日もありますが、少しずつ春に向かっているのですね。

昨年末に、フロント脇のお土産コーナーを漫画コミックコーナーに変更致しました。
お土産コーナーはレストラン内に設置しました。
エレベータの前で一番人通りの多い所ですので、
お土産が並んでいた方が楽しいのでは?売上げに貢献するのでは?
と、スタッフに言われましたが・・・
お風呂上がりとか、お食事後とか、お客様同士での待ち合わせの時、
ロビーで『まだ・・来ない・・』なんて表情で、キョロキョロ・・
何か読み物でもあれば、良いのかなぁ・・と、思っての事です。
スタッフや息子、娘達に聞いて、自分でも読んでみたい物を含め、今人気のコミックを約300冊揃えました。
最初に三国志全60巻を買い揃えたので、スタッフから「どうなる事やら・・」と、
冷やかされながらのコーナースタートでした。
次がスラムダンク全31巻・・花より男子、ナナ、サラリーマン金太郎、課長島耕作・・
で、やっと・・スタッフも安堵の顔でした。
各年齢層向けにひと通り揃えたつもりです。
少しずつでも増やして行こうと思います。

・・ところが・・・
そんな軽い気持ちでのコミックコーナーでしたが、大好評で驚いております。
昼も夜も朝も・・どなたか必ずコミックを片手に・・ロビーでくつろいでいらっしゃいます。
チェックアウトとの時刻になっても、読みかけでは帰れない! と、読み終えてからお発ちになるお客様までいらっしゃいます。
漫画喫茶やインターネットカフェが大流行なのもうなずけます。
コミックコーナーの近くにインターネットを無料でご利用いただけるパソコンもありますので、そう感じてしまうのも無理はないのですが。

今では、肩が凝らない・・くつろげる・・宿造りに貢献しております。
漫画は日本人の文化だと仰る方もいらっしゃいます。
旅行に来てまで・・なんて思う方もいらっしゃると思いますが、
何でもあり!! で、良いと思います。
くつろぎにスタイルはないのです。

しかしながら・・痛感するのは・・
漫画の人気は強い!! でした。

2006-01-26  当たり前の事を積み重ねると・・それは特別な事になる!

また、新しい年が始まりました。
人というのは元来だらしないものなのでしょうか?
こういう節目がないと、身も心もシャンとしないものですね。
仕切直して、今年も精一杯努めます。
スタッフは【恐怖の年末年始】と言っておりますが、世間はおとそ気分でのんびり・・
の時に、捻りはちまきで走り回るお仕事です。
コンビニだって、ファミレスだって同じじゃないか、頑張って働いている人は沢山いるよ。
と、励まし励まし・・クリスマスから1ヶ月、本当に忙しい毎日でした。
疲れが出たのか、ここ数日インフルエンザでダウンする者も多くなっています。
今年はとにかく寒い冬です。
もうすぐ立春ですが・・・春はいずこやら・・

年末年始は、毎年ご利用頂いているお客様が特に多い時期です。
本当にありがたいことです。感謝!感謝!
お元気なお顔に出会えると、仕事を忘れて嬉しくなります。
おじいさんおばあさんは相変わらずお元気で、お孫さん達は見違えるほど大きくなっています。
そんなふれあいができるのも幸せな事だと思っています。

年頭です。
今年の心構え・・・
『当たり前の事を積み重ねると・・それは特別な事になる!』

日々、お客様をお迎えしております。
毎日同じ心構えで、お客様をお迎えする・・当たり前の事ですが、努力がいる事です。
新しい試みや、プランを考える事も大事ですが、基本に立ち返り・・
そうした積み重ねが一番大切なのではないかと思うのです。
慢心することなく、いつも気持ちを新たに・・・
・・今年も、宿造りです。

2005-12-27  小人閑居して不善を為す

今年も残すところ、あとわずかになりました。
本年も本当にお世話になりました。
小生にとっては、それなりに充実した一年でした。
皆さんはいかがでしたか?

毎年のことですが、できなかったこと、できたこと・・・
振り返ると・・やっぱりできなかったことだらけ。
でも、それで『来年こそは!!』と、ファイトが湧いてくるのです。
・・天然の楽天家なのかも知れませんね・・
目指していた頂にたどり着くと、視界が広がり、その先の更に高い頂が見えて・・
また、その頂きに向かって進む。
そして、たどり着くと、また視界が広がり、更なる頂が現れる・・・
そんな事の繰り返しが、楽しいのです。
(【M】っぽいのかなぁ・・・チョイ不安。)
でも、そうしていれば必ず着実に高い位置へ進むことができるはずです。
・・・そんな、あれや・・これや・・で、本当に忙しい一年でした。

忙しい方が良いと思うよ。って友人に言われます。
あれは、中学3年生の国語の先生(K先生)だったと思いますが、
〔小人閑居して不善を為す〕
・・・君たちは凡人・小人である、忙しくしていれば良いが、
   閑になると、とたんに悪いことを始める、
   常に忙しさの中に身を置くこと・・・
と言う教えを頂きました。
その時に、すごく納得してしまい、忘れることのできない漢詩となりました。
その先生はかなり前にお亡くなりになりましたが、そのご長男さんが先生になられ、
我が家の子ども達もご教授いただき、小生も酒飲み友達になりました。
小生と同い年なのです。
これも・・ご縁です。

ともかく・・・小人の小生は忙しいのが身を誤らないコツ・・なのです。
友人も、そのことを言っているのでしょう。
たぶん来年も、目の回る様な忙しい一年になると思います。
来年はやりたいこともあります。
まだ、ヒ・ミ・ツ・・ですが・・・
勉強と実践・・しかないと思っています。
数ヶ月後には少しお話しできるかも・・・頑張ります。

先日、女将に「俺もやっと来年で人生半分だ、100分の50だよ。」
と、つぶやいたら・・・
・・・すかさず、『嫌われ者世にはばかる・・美女薄命・・ごめんなさいね。』でした。
当分、彼女には、かないそうにありません・・誰でも弱点はあるものですよね。

賑やかなお店・・賑やかな家族・・賑やかな仲間・・
なんとも・・居心地がよいのです。
そんな、今年一年であり・・来年もそうでありたいと思っています。
来年も、本年同様、どうぞよろしくお願い致します。
そして、来年も皆様に幸多かりき事を、心より祈念致しております。
末永いお付き合い・・お願い致します。

・・・さぁ、年末年始の賑やかさ・・へ、突入です!

2005-11-06  先生に・・褒められちゃいました!

熱海の離島(静岡県で唯一の離島です)『初島』の小中学校のG校長先生。
小生の地元、多賀中学校に教頭先生としていらっしゃって、
小生の長女、長男が・・それは・・それは・・お世話になりました。
熱海市のPTAの仕事を先生と一緒に担当することになって、どっぷり一年・・
親父まで、お世話になっちゃいました。
親子で面倒を見て頂いて、感謝!感謝!です。
堅物ではないお人柄・・でも、本当にまじめ・・お酒は大好き・・浮いた噂無し・・の、先生です。
今時(!?)では無いお方かも知れませんが・・
いつも二人で酔っぱらっては、『時代おくれ』を歌っております。
・・・だから、今時でない!
そんな、尊敬する先生が・・・今ではマイフレンド!!
会えば抱き合って・・元気ですか? です。
小生が宿のおやじ・・なら、学校のおやじ・・という雰囲気です。
その、真っ直ぐ正面をいつも見ている瞳には、感服します。
小生のようなヤクザな商人がそばにいると、本当に恥ずかしくなります。
先生を見て、教育者って、なかなか・・・良い!
と思えたのは小生ばかりではないと思います。
先生というのは、あれこれ言っても始まらない・・
その姿勢が・・生き方が・・先生たるゆえんだではないでしょうか?
最近は勉強を教えることに熱心な先生は多いのですが、
生き方を、身をもって示す先生は少ないのです。
今、弊店で頑張っている若者はみんな先生の教え子です。
数人いるのですが、本当に・・偶然にも・・みんな教え子なのです。
みんな良い若者で、毎日頑張ってくれています。
みんな先生のことが大好きです。
ご縁です。・・・うれしいご縁です。

熱海の初島へ行く機会がありましたら・・・
港のそばの丘の上・・ログハウスの素敵な学校があります。
校門はいつも開いております。
校歌は、作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
『地球の丸さを知る子供たち』です。・・すごいでしょ!
是非、是非・・G校長先生を訪ねて下さい。もう暫くはいらっしゃるはずです。
『・・どうぞ・・どうぞ・・』と言って、迎え入れてくれるはずです。

この学校のHPは、かつて県内でグランプリを取ったと聞いています。
初島の校長の独り言・・というのを、連載してます。
真似すんなよ・・なんて言いませんが、やることが同じなのです・・・おやじ同士なのです。
ご覧あれ・・・・ http://www.izu.co.jp/~hatusima/index.html

そんなG先生が、先月の上旬、地元の伊豆新聞(熱海新聞)の『伊豆路』というコラムに寄稿しました。
ありがたいことに、小生のことを書いて下さいました。
おやじになっても、先生にお褒め頂くのは、・・・・本当に嬉しいものです。
・・・格別です。
本当に嬉しいので・・恥ずかしいのですが・・皆さん読んで下さい。
・・・励みがあると、頑張ろう!!って気になりますね。

以下、原文です。

・・・・H17/10/9 熱海新聞より ・・・
【出会い】

「先生って、いい仕事してるね」という言葉をいただいたことがある。その言葉をくれた人は某工業高等専門学校を卒業してコンピュータを扱う大きな企業に勤め、二十八歳の年に脱サラして多賀の長浜で宿のおやじになりまもなく二十二年になる。大好きな人です。
 いつも現状を鋭く分析し未来を見通し、思ったこと決めたことは躊躇なく進む。アイデアが豊かで発想が柔軟、機知に富む。そして引き際もあざやかである。彼と会うとなぜか勇気が湧いてくる。世の中にはできない事なんてないのではないかとさえ思ってしまうほどである。
 仕事がら人を見る眼が鋭いが、かといっていつもニコニコしていて人を引きつける。
 彼と出会ったのは六年前になる。より懇意におつきあいするようになったきっかけは、磐田郡豊岡村で行われた黎明フォーラムというものに一緒に参加してからである。まさに自分にとって黎明であった。そこで出会った多くの人からたくさんのことを彼と共に学んだ。「誰かがやるだろうは誰もやらないと知りなさい。だからあなたがやるのです」「走り続けるとなにかが見えてくる」「風の吹かぬ世はない。逆風の時はその風を胸一杯に受けて天高く舞う凧になれ、追い風の時は帆を一杯に張って進む船になれ」
 冒頭の言葉の解釈であるが、世の中には様々な職業がある。教師という職業そのものを言ったのか、はたまた私の仕事を指して言ってくれたのか定かではない。確かなことは彼は人との出会いを大切にするが故に言ってくれたと思う。教師という職業は常に人と出会い、それも必ず四月に新たな出会いがあり三月に別れがある職業である。
 彼は私のよき相談相手であり、友人であり、鏡である。彼と出会えてよかった。彼はかわいい奥さんと家族をこよなく愛している。

・・・・・・
先生ありがとうございました。
頑張ります。


2005-11-03  お久しぶりの・・ブツブツ・・ひとりごと

本当に久しぶりにひとりごと・・です。
これだけ間が空いたのは珍しくって、当コーナーのファン(?・・毎回読んで下さる方がいらっしゃるんですよ..ありがたい)から、
「最近どうしちゃったの?」
なんて、メールが届いております。
どうしちゃった訳でもなく、少し忙しかったのと、ひとりごとがまとまらなかっただけです。
書けない時は書かない・・それで良いと思っています・・都合の良い言い訳ですね・・
それにしても・・間が空きすぎました。そこで・・ブツブツ・・です。
先日、頂いたそのメールの中で
『「おやじの独り言」更新してくださいね。
  そもそも「独り言」を、公開するでしょうか・・・考えたら。
  でも、楽しみにしています。』
と言う下りがありまして、益々書けなくなってしまった次第です。
彼はいつも鋭いのです・・・
そうですよね、でも、楽しみにしていらっしゃるのですから・・・
諸事は意識せずに・・・ブツブツ・・・ひとりごと、でお許し願います。

さて、夏前から冬前・・・この期間、いろいろなことがありました。
巷では、駒沢苫小牧高校の優勝!衆院選で自民圧勝!阪神優勝!ロッテ優勝、日本一!
単純に喜んだり、あれこれ首をひねったり・・です。
夏真っ盛りの8月15日・・ここ長浜では、初めての海上花火大会。
久しぶりに走り回りましたし、涙しました。
本当に・・・感動でした。
花火ってのは、視覚もさることながら・・聴覚ですね。
お腹に響く、あの音が良いです。
・・・生きてて良かった・・みたいな、音です。
目の前の長浜で花火が上がったのは史上初めてなんです。
初めてってのは予想出来ないことが多くて定刻の7時50分に一発目が上がるまで、
本当に、ヒヤヒヤ・・ドキドキ・・でした。
地域のみんなが応援してくれたおかげです。
そして・・初めての、ど~~ん!!ぱっ!!
もう、これだけで充分でした。
年甲斐もなく、ジワッときちゃいました。
お客様も、お年寄りも、子供達も大喜びでした。
綺麗でした・・・ホントに・・
でも、終わった瞬間から来年に向けてGO!です。
来年はもっと感動だ!と叫んでいる、今のおやじです。

熱海は閉店したり、経営者が代わってしまう旅館が、相変わらず後を絶ちません。
街は見違えるくらい綺麗に整備されました、海岸線も道路もそれはそれは立派です。
でも、それを生かせない民間の活力不足が悲しいのです。
みんなが、大きな事を言わずに、足下の小さな事から取り組んで・・
毎日コツコツやれば必ず活力が産まれるはずです。
そう信じて、日々励んでおります。
旅館はある意味、産業界の鉄鋼業と同じ。
固定資産とランニングコスト、人件費でぎゅうぎゅうに締め付けられています。
重いのです。
今、脚光を浴びているIT産業、これはフットワークがとにかく軽い産業です。
時代の波に乗ることも容易でしょう。
重いものが悪いわけではなく、重いと言うことをしっかり認識して牛歩の如く歩むしかないのです。
軽いは軽いなりに・・思いは重いなりに・・歩む道があり、歩むすべがあります。
同じようにはできないのです・・・
なんだか、抽象論でごめんなさい。
こういうご時世になると、いろいろな方がいろいろなことを言い出します。
『上手く行く方法!』と、題してです。
はじめから上手くいく方法なんて無いと思っています。
努力した結果、運にも人にも恵まれて・・・そして・・上手くいった。です。
要は日々の姿勢だと思っています。
小生の宿も、お叱りを頂きながら・・嘆き、たまにお褒めを頂き・・励まされ、少しずつ宿造りなのです。
できないことが多いのですが、やろうと思わなければ永遠にできません。
やろうと思っていてできない時、お客様の声で取りかかることができます。
お客様の声は宝です。
それを毎日聞ける喜びを感じていたいと思うのです・・・・

さぁ・・・明日も頑張ろう!!
南熱海は必ず良くなるぞ!!
だって、一生懸命やれば、目の前でお客様が喜んで頂ける仕事が、宿屋なんですから・・・・
と言いつつ、これから寝酒のおやじでした。

2005-07-07  一ちゃんのマドレーヌ・・

晴れたり・・雨だったり・・暑かったり・・肌寒かったり・・
梅雨独特の、体調に誠に良くない気候です。
気力と体力が、気候に勝てなくて、閉口しております。
スタッフに面白い女の子がおりまして、
「私は爬虫類なんです。体温調節ができません。今日のような日はダメです。」
と言っておりました。
『何を言っとるんだ!』と言いつつも・・なるほど、俺もかなぁ?です。
いずれにせよ、健康第一、毎日弊店の温泉とサウナでリフレッシュ!(役得です・・)

ところで、お店の【おくち】(お部屋に準備するお菓子)に、
熱海菓子の木のマドレーヌを使い始めて・・・丁度3年になります。
初めは旅館でマドレーヌ?でしたが、定番になり、それを楽しみにお越し頂くことも多くなりました。
お帰りの際、こんなに沢山?と思うくらいお買い上げ頂くこともございます。
このマドレーヌ、シェル型のどこにでもある形なのですが、妙に旨いのです。
納品されるたびに一つずつ食しております(実は、誰よりも私が大好きな焼き菓子なのです)が・・
ここ一年、少しずつ味が変わってきている気がするのです。
作っているオーナーの一ちゃん(ハジメちゃん)(本名は黒川一さんです)に聞いてみました。
返事は『お菓子も、人も日々進歩!・・なんちゃって・・』。
まじめな男なのですが、最近ジョークがきつくなりました。
40歳代になって加速された感があります。
彼曰く、「とみよしさんの影響!!」だそうです。・・どうせ・・私は毒舌で有名です。
売り文句は、『オーガニックなメイプルパウダーをたっぷり使ったマドレーヌ』だそうです。
お世辞抜きに・・おいしいと思います。
焼き菓子は、買ったり頂いたり・・色々なお店のものを口にしますが、
彼の作った焼き菓子はおいしいと思います。
伊豆高原に菓子の木の本店があります。
杉本錬堂さんという、多方面での活動で有名な方が開いたお店です。
彼もすごいお人で、書き始めるときりがありません。
不思議なご縁があります・・別の機会にご紹介いたします。

ケーキ屋さんになりたくてこのお店で修行をし、のれんを分けて頂いて熱海にお店を開いた彼です。
杉本さんにお伺いすると、一番弟子!だそうです。
『俺を越えるヤツは、あいつしかいない。』と、言っておりました。
ハジメちゃんに伝えると、『錬堂さんは、誰のことでもそう言うんだよ。』と、涼しい顔つきです。
何時お店に行っても、ケーキを焼いています。お菓子を作るのが好きなのですね・・
同じお菓子を沢山作るのが一番嫌い・・と、言っておりました。
色々なものを作っていたい・・そうです。本当の職人さんです。
おいしいのだから・・お店も広げてどんどん売ったら・・と勧めると・・
・・自分で作れるだけの量が売れるお店で良い・・と、頑固に同じスタイルでやっております。
弊店でご予約頂いたバースデイケーキも彼に作ってもらってます。
ちょっと小ぶりですが、おいしい!!と、好評です。
まじめに洋菓子に向かい合っている男です。
最近は、市内大手の旅館・ホテルでのウェディングケーキで大忙しです。
ケーキカットの後、現地で切り分けて、お客様ひとりひとりに召し上がって頂いているそうです。
おしゃれですよね!
楽しそうに作っているもの・・は、おいしいものです。
おいしいもの・・気持ちのこもったもの・・は、着実にファンが増えますね。
そんなハジメちゃんのマドレーヌ。
まだしばらくは・・使わさせて頂きたいと思います。
・・・見習う点が多々あるのです。

『一』という名前が・・彼らしくて・・また良いです・・
一口で食べられるものでも、一つ一つ心がこもっているのです。
心のこもったものでいっぱいの宿にしたい・・・
今年の七夕の願いです。



2005-06-13  初めて、花火打ち上げます・・

一番好きな季節から、一番うっとうしい季節へ移りつつあります。
そうです・・もう梅雨入りです。
しかし、毎年この時期になるとお問い合わせのお電話が日に日に増え、夏に向かってまっしぐら・・です。
夏休みの予約殺到の時期です。
本当にありがたいことに、今年も例外でなく、たくさんのご予約を頂いております。
・・・・感謝!!
今年は、目の前の長浜海水浴場が400mフルオープンします。今月25日が海開き。
広いです。砂浜におり立って、ビックリ!!
去年までは半分の200mでしたが、倍になるとこんなにも広いものか・・驚きです。
砂浜の幅も広くて、波打ち際まで結構、距離感があります。
幼い頃・・砂浜で、テニスボールとプラスチックバットで野球、海まで行ったらホームラン!!
なんて・・遊びを良くやりましたが、こりゃホームランはあり得ない。
そのくらい広いです。
まだまだ、背後地の埋め立て地は未整備ですが、とにかく砂浜はできあがりました。
これから、駐車場やら・・芝生広場やら・・遊歩道やら・・順に整備される予定です。
この背後地も、めちゃくちゃ広いです。
弊店の目の前・・
・・完成が待ち遠しい・・でも、もう少し、です。

ってなわけで・・今年の夏は、ちょっと気合いを入れなくちゃ!! 
と、宿のおやじの仲間と、例の如く酒を酌み交わしながら夜な夜な・・アーだ!コーだ!
毎年、アタミ海上花火大会花火ツアーを企画して、本当に多くの皆さんにご利用頂いております。
もちろん今年も実施しますが・・・見に行くのも良いけど、上げてみよう・・花火を!!
と言う話になりまして、行政に掛け合うやら・・資金集めに走るやら・・花火屋さんと交渉するやら・・
トントン拍子で話が進み、8月16日に少ない予算ながらも・・何とか・・
『第1回南熱海長浜海岸海上花火大会』を、実施する運びとなりました。
16日はすぐ隣の網代でも海上花火大会があります。
また、従来から百八体流灯祭を、ここ長浜でも実施してきました。

・・・・目に浮かびます・・・

午後7時過ぎ・・長浜海岸から、約500個の灯籠が流され、波間にチラチラ、灯籠が漂っています。
7時30分・・長浜海岸3Kmにわたって準備されたかがり火300基に一斉に火が灯されます。
海岸線をかがり火が埋め尽くして、それはそれは見事です・・
7時50分・・かがり火もようやく燃え尽きようとする、その時、夜空に、ど~~んと、花火が打ち上げられます。
目の前百数十メートル先から打ち上げられる花火は豪快そのものです・・
花火の音がすぐ後ろの山に跳ね返って、海岸に響き渡ります・・・・
・・・夜空いっぱいの空中ナイアガラで終演。
・・・終わりか・・・と、思ったら、隣の網代で、またまた花火が上がり始めます・・
ちょっと遠くから・・もう一度、花火観覧・・・
・・・・長浜っていいなぁ・・・

ってな、具合になる予定(上手くいけば・・の話ですが・・)です。
お客様にも見て頂きたいのですが、それ以上に自分がワクワクしております。
この長浜で花火が上がるのは、初めてのことなのです・・・
実行委員長で、頑張ります!!
まだ、2ヶ月先のことで盛り上がっている・・
・・宿のおやじです。



2005-05-08  匂い立つ・・新緑・・


一年中で一番好きな季節がやってきました。
ゴールデンウィークが終わって、梅雨までのこの時期・・
本当に気持ちの良い季節です。
あんなにきれいだった桜も終わり、新緑。
さくらの時期には聞こえなかった、風の音。
新緑を揺らしながら匂い立ち、葉を揺らす、爽やかな風の音です。
山は動き始め、新芽が吹き新緑が匂い立つようです。
『芽が吹く』っていいことですね。心が清々しくなります。
海岸から眺める近隣の山もその姿を変え、緑色のコントラストがそれはそれは見事です。
海岸に来ると、どうしても海ばかり眺めてしまいますが、ちょっと振り返ってみると、
山がすぐそこまでやってきています。
伊豆の素晴らしいのは、山と海が隣り合わせのところかも知れません。
弊店の周りも、国道沿いに家が建ち並び、その背後はすぐ山です。
海岸から山があまりにも近いので、遠景がとれずどうしても海ばかり眺めておりました。
景色は近景より遠景・・遠く水平線を眺めることが海岸での醍醐味です。
前の長浜海岸の養浜整備事業が進み、山から少し距離を置いて新しい400mの砂浜ができあがりました。
新しくできた砂浜に降り立つと、白い砂浜の海岸もきれいですが、背後の山が本当に素晴らしいのです。
20数年この地に暮らしてきて初めて眺める景色です。
舟で沖合に出ると、水平線を見るのでなく陸ばかり眺めているのと同じです。
海岸に降りたつ楽しみが増えて得をした感があります。
四季折々の山々、その山と空を受けての海。
そんな海山を眺めながら・・・
・・・さぁ、宿造り、宿造り。

2005-03-17  時が刻む、落ち着きと風情・・

先日、天城湯ヶ島温泉の某旅館に行ってきました。
明治初期の創業から4代続いた宿が一昨年立ちゆかなくなり、
新たに若いパワー溢れる経営者に譲られました。
新聞、雑誌で見聞きしていたのですが、百聞は一見にしかず・・・
長女の卒業旅行を兼ねておじゃますることにしました。
大正、昭和初期の建物はとても風情があって、
それは・・それは・・落ち着きと風情のあるものでした。
若い娘も大喜びでした。
生意気にも・・『すごく落ち着いて良いわ!!うちとはグレードが違う!!』でした。
お父さん(小生)は、負けず嫌いなので・・『うちはうちで良い所がいっぱいある!!』
と、苦しい弁明。
・・・それぞれが、それぞれの環境で努力すれば良し、ですよね。

かなり手を加えられた様子で、館内は清々として、とてもきれいでした。
経営者のセンスのたまものでしょう。
造ろうと思っても今は造れないものです。
時代を乗り越えてきた物を大切にして、守ってゆく・・素晴らしいと思いました。
私どもにはとうてい真似のできる事ではないのですが・・。
どんどん新しくしてゆくのも良いのですが、
心を込めて造った物を大切にしてゆくのも大事だなぁ・・と思いました。
そこには、安らぎがあるのです。
でも、夜10時過ぎにロビーで何か飲めますか?とフロントにお尋ねしたら・・
その後で・・社長さんが飲み物を準備して待っておられたのには・・驚き。
お互いに名乗りこそしなっかたものの・・何となく、職種が匂う様な感じを持ちつつ・・
息子や娘の話を交わさせて頂きました。
内心・・『うちと同じだ!!』
・・・この仕事は家族のことが一番心配なのです。
・・・一緒にいてあげられる時間が少ないのです。
でも、どこでも、宿のおやじは休み無しですね・・。
そんな姿を見せることしかできないのが、宿のおやじです。

弊店は知人から譲り受けたものの、そんな歴史のある宿ではないのですが、
あれからもう10年。建物は大切に・・大切に・・きれいに・・きれいに・・守ってゆこうと思います。
そんな思いで胸がいっぱいになるような旅でした。
毎日見ていると、本当に気が付かない点も多々あります。
もう少し館内をブラブラして・・眺めてみます・・。
じゅうたん一枚、壁一面にしても、造った当時の想いがあります。
改装して新規開業の時、たわしでゴシゴシとエントランスのタイルを磨いていたのを思い出します。
本当に・・最初は廃墟のような建物でした。
皆様にご愛顧頂きまして、おかげさまで、息を吹き込む事ができました。
本当に・・ありがたいです。
リニューアルした・・と、有頂天にならずに、
落ち着いて頂ける雰囲気の宿にするよう努力を惜しまない事と致します。

もうすぐ・・桜。
伊豆多賀駅構内の桜もライトアップの準備をしたいと思います。
(お時間ありましたら 【さくら、さくら・・・今咲き誇る】No.27 2004/03/26 を一読願います。)
桜を眺めて・・次回のひとりごと・・に致します。

2005-01-15  ワクワク・・ドキドキ・・の、一年になあれ・・

明けましておめでとうございます。
本年もご愛顧のほどよろしくお願い致します。
昨年は、リニューアルの工事、オープンとあわただしく一年が過ぎ去って行きました。
年末年始はおかげさまで過去最高の忙しさでした。
たくさんのお客様にお越し頂きました。
この時期にありがたいことです。
本当にありがとうございました。
最近はピーク時になると、体力と気力の限界に挑戦!ってなかんじです。
体力が衰えてゆく分だけ、気力を充実させる。そんな日々です。
小生も来年は50才!!
ただひたすら走り続けた40代でした。
でも、今年は心が一番落ち着いた状態で新年を迎えたような気が致します。
元来、楽天家なので、『毎年今年が一番面白い年じゃ!!』と、スタッフに息巻いております。
あながち冗談でもなく、年々人生が面白くなってきます。
・・・ホント、みなさまのおかげです。感謝!感謝!
ここ数年、何をやろうかな??と、思うことがあまりありません。
あれと・・これと・・それと・・やらなくっちゃ! です。
はじめは苦痛だったのですが・・・
だんだん慣れてきて、ひとつひとつを対処してゆくのが心地良くなるくらいの時も多くなりました。
慣れるって怖いですね・・
年に何度か、気になるお店に泊まりに行きます。勉強です。
前には、行く度に自分の店とのギャップばかりが気になって、しょぼんとして帰ってきました。
最近は、そのギャップも楽しいのです。
色々な宿があった方が面白いですし、お客様も楽しいはずです。
個性的な宿が増えてきました。
旅館はこういうものだ!!なんて・・もう古いのでしょう。
多方面で『個の時代』『主観の時代』と叫ばれておりますが、ニーズが多様化しているのですね。
自分らしく・・自分の宿らしく・・やってゆきたいと思います。
もちろん、謙虚な心を忘れずに・・
今年もたくさんのメッセージを頂きたいと思います。
いろいろ・・教えてください!
でもやっぱり、なるべく多くの人に良い宿と言って頂きたい・・
・・なんて・・欲張りなおやじです。
自信が湧いたり・・自信を失ったり・・今年もそんな一年でしょうか?
40代総決算の年!
ワクワク・・ドキドキ・・の、一年になあれ・・

2004-12-28  前後左右確認!  

 今年も残す所あとわずか・・・
忘年会モードからクリスマスモード、そして、年末年始・・・宿は季節感(?)にあふれております。
毎年同じなのに、思いは毎年いろいろです。
人は立ち止まったり、振り返ったりしながら、歩んで行きたいものです。
ついつい目先のことに、追われたり・・おびえたり・・です。
運転ではありませんが、前後左右を確認!ですね。
 『宿のおやじのひとりごと』、第一回が2001年12月24日でした。
早いものでもう3年になります。考えながら・・書きながら・・実践しながら・・やって参りました。
今日、No.1から読み返してみました。
思いはいつも同じなれど・・思っていながら、ついつい忘れていることも多々あります。
未熟を実感致します。
しかし、熱い想いさえあれば・・・・と思っております。

 今年はリニューアルオープン致しました。熱い想いがあったのです。
新館営業開始が平成8年のお正月。知人から譲り受けた施設でしたが、
なんとか形を整えてのオープンでした。
9年かかって、やっと当初希望していた形の施設になりました。
私の40代の総決算です。
友人のMさん(彼は優秀な公務員で神奈川県在住・・このコラムの数少ないファンです)に、
リニューアルオープンで集ってくれた仲間を館内案内した後こんなメールを頂きました。
『火曜の夜は、富岡様をとても羨ましく思えました。
 皆に館内を案内して回られる時の笑顔が、格好よかったです。
 また、皆に慕われ、ああして集まってくれる沢山の仲間をお持ちで、
 幸せな方だな、と感じました。』
・・・・本当に幸せだと思います。仲間に励まされながらの人生です。
実は彼に褒められたのは、今年はこれだけなのですが・・・
厳しくて優しい友人です。ちょっと変わり者(ごめんなさい)なんですよ・・
でも、そんな人付き合いを大切に・・じっくり宿造りに取り組もうと思います。
気持ちよくくつろいで頂く・・って、本当に難しいものです。実感!

最近のお話・・
朝食時のモーニングコーヒーを無料でサービスすることにしました。
お茶はご自由に・・コーヒーは有料・・おかしな感じがしたのです。
それと、オーダーすればコーヒーをお飲み頂けるのに、自販機で缶コーヒーを買って
お部屋に戻るお客様が多かったのです。
ある日、おなじみ様がいらっしゃって、コーヒーをおいしそうに飲みながら一言・・
『良いことを始めたね。人間ってケチなんだよ。お金が無いわけじゃない。
 いくらでもないものでも、タダは嬉しいよ。気持ちが良くなるんだよ。朝だしね・・・』
とても嬉しく思いました。

来年の話・・
パブリックスペースがリニューアルで立派になると、今までそんなに気にならなかった客室が
気になって仕方ありません。
1月から、客室のお化粧直しを始めます。
壁紙やじゅうたん、照明器具を新しい物に致します。・・少し華やいだ感じになると思います。
予算があまりありません。出来る限り・・の改装です。
女将と二人で一生懸命考えました。
ワクワク・・ドキドキ・・です。
それと・・
客室露天風呂に温泉を引湯致します。これはお客様からのご要望が多かったことです。
湯量の関係で難しかったのですが、やっと課題が一つクリアされます。
1月から工事にかかります。
寒い時期ですので、喜んで頂けると嬉しいのですが・・・・完了予定は年明けにははっきり致します。
どちらも、気の変わらぬうちに・・・弱気にならぬうちに・・・発注をかけてしまいました。
設備投資は『やるぞ!』と、思った時でないと出来なくなってしまいます。
尻込みするのです。・・・このままでもいいじゃん!!なんて、思ってしまうのです。

やはり来年も、時間に追いまくられる日々になりそうです。
でも、それが自分らしいのかも知れませんし、弊店らしいのかも知れません。
学生時代、恩師に『世の期待に応えよ!』と教わりました。
お客様の期待に応えられるよう、突き進むのみです。
・・・宿造りに終わりはありません。
前後左右を確認しながら・・自己満足にならぬよう、励む所存です。
暖かい応援をお願い致します。

本年はありがとうございました。
来年も引き続きご愛顧をお願い致します。

2004-11-04  ミサちゃんの豆乳・・

近所にミサちゃんという美人で働き者のお母さんがいらっしゃいます。
3人のお子さんを育てながら、実家の熱海市内の豆腐店を切り盛りしております。
ミサちゃんのお店は頑固で有名だったお父様が自慢の豆腐を作り続けておりましたが、
お父様も急な病でご逝去されてしまい、今はお嫁に行った彼女がお母さんと一緒に
のれんを守っております。
今は車で通っておりますが・・・
以前は弊店の前を通って朝一番のバスにお子さんの手を取って乗り込んでおりました。
その姿に、毎日胸を打たれました・・・。
常々、食べ物はその作り手の人柄が一番大事と思っております。
こうして、毎日、毎日・・まだ暗いうちから仕込んで造り上げたお豆腐は本当においしいのです。
今は亡きお父様が守り続けたのれんと味を、彼女の細腕で守り抜いているのです。
弊店では以前から、朝食にミサちゃんのお豆腐をお出ししております。
夏期は豆腐サラダ、冬期は湯豆腐・・と、一年を通じて召し上がっていただいております。
居酒屋では、彼女自慢のおぼろ豆腐もお出ししております。
お客様に細かな説明は致しませんが、自信を持ってお召し上がり頂いております。
今年は、そのミサちゃんのお店の豆乳をお鍋に致しました。

・・・弊店、女将、曰く・・
完全無添加にこだわる豆乳鍋には、
老舗豆腐店からその日仕入れた出来たての豆乳を使用しております。
大豆の甘さが際立つ上品な味わいで、
お鍋ながら最後まで飲み干したくなる味わいです。
・・・・です。

いろいろ工夫して、おいしいお鍋に仕上がりました。
スタッフの味見会でも好評でした。
毎日、一升瓶に入れて持ってきてくれます。新鮮です。
世に、いろいろなお豆腐があります。
こだわりの一品も多々ございますが、
弊店ではこのミサちゃんのお店のお豆腐と豆乳を使い続けて行きたいと思っております。
・・・何故か、そんな魅力のある・・・
優しい気持ちになれる・・・お豆腐と豆乳なのです。
ご賞味・・・お願い致します。



2004-10-12  創業以来、最大の台風・・

9日に伊豆半島を直撃した台風22号。
いろいろとご心配をおかけ致しました。
お見舞いのお電話や、メールをたくさん頂きました。
本当にありがたいです。有り難うございました。
被害は最小限ですみました。怪我もありませんでした。
台風、地震には慣れっこになっていましたが、今回はビックリでした。
その瞬間の・・多分台風の中心がこのあたりを通過した時なのでしょうが・・
すごさと言ったら、驚きでした。
真横に風と雨、目の前の松は悲鳴を上げているような状態でした。
目の前の、大きな松が倒れて国道を塞ぎ、大渋滞になりました。
復旧もはかどりません。屋外に出られないのです。
また、停電にはホトホト参りました。
わかってはいるものの、やはり電気の力はすごいと痛感致しました。
午後4時から9時まで、約5時間の停電。
献立を変更して急きょお鍋料理を準備。
もしも・・の場合のために少し時期が早いのですが、鍋の材料は準備しておいたのが幸い致しました。
電気が必要な調理器具がいっさい使えないのと、ろうそくの明かりの中での調理が可能なもの。
それでも、夕食の準備が出来たのが午後7時過ぎでした。
お部屋、お食事処、廊下、階段、ロビーと数十本のろうそくを灯して何とかお召し上がり頂きました。
当日ご利用のお客様、本当に有り難うございました。
キャンセルも少なくほぼ満室状態でした。
・・・本当に、申し訳ないと思いながら、ろうそくの薄明かりの中で、お刺身を引いておりました。
冷蔵庫も限界に近い状態・・水槽の魚は全滅でした。
もう我慢も限界・・と思いだした、午後9時。
弊店の灯りがともりました。
電気が復旧したのです。
館内のあちこちで歓声が上がっておりました。
お湯が出ない・・お風呂が使えない・・これが、お食事後で一番困ったことでした。
たぶん・・忘れることの出来ない一夜でしょう。
電気なしで夕食を提供したのは初めてです。
お風呂も入れるようになり・・さっそく、カラオケを始めるお客様もいらっしゃいました。
嵐も収まり、いつもの館内が戻って参りました。
しかし・・・・
翌朝、もっと驚き・・・
すぐ近くなのに、まだ電気や水道が来ていない地域・・屋根が風で飛んでしまった家・・
国道はどこもかしこも倒木と落ち葉で埋まっておりました。
町中総出で片づけと修理です。
弊店はというと・・幸いにホテル、別棟の大浴場は無傷。
民宿棟は屋根瓦が数枚飛んでいる程度でした。
後でわかったのですが・・
土砂が建物まで入ってきてしまった宿、屋根や窓が飛んで雨ざらしになった宿・・等々
あちこちの旅館で、散々な状態でした。
今日になって、町はいつもの状態に戻りつつあります。
しかし、お隣、伊東市宇佐美はもっと被害が大きかったようで、まだ復旧作業真っ盛りだそうです。
お客様がいらっしゃるのですから、当たり前なのですが・・・
スタッフの中には我が家が気になりながらも頑張ってくれて、家に戻ったら水浸し・・と言う者もおりました。
お客様のご理解とご容赦。
そして、スタッフの協力で、なんとか・・本当に、なんとか乗り切った・・が、実感です。
誰も、こんなになるとは想像していなかったのですが、やはり備えあれば憂いなし・・
日頃から、もう少し天候に注意を払って、備えることに致します。
痛感致しました・・・・自然の力は恐ろしい。

2004-09-03  やぶにらみ温泉騒動・・

夏のトップシーズンが終わり、ビーチはいつものように静けさを取り戻しております。
海岸をゆっくり散歩するには本当に良い季節になってきました・・・とは言うものの・・・
目の前の海岸を散歩する時間もないほど相変わらず忙しい毎日です。
お客様の期待に応えられる宿造りに、お休みはないのです。
宿造りには、エネルギーが要ります。

ところで、この頃、温泉は大騒ぎです。
レジネオラ菌騒ぎ・・ニセもの温泉騒ぎ・・です。
古くから存在している温泉が、なぜ温泉騒動になってしまうのでしょう。
先日知人から、湯布院ブランドの生みの親の一人、中谷健太郎氏の新聞掲載エッセイが送られてきました。

・・世の中に「嘘つき」が多くなったのでしょう。
・・それでみんなして「嘘つきはけしからん」と合唱するようになった。
・・厄介な浮き世を逃れて「やれやれ、のんびりしましょう」と、やってきたのが温泉で、
・・そこにもしっかり「嘘つき」がいた。
・・お怒りになるのはごもっともです。
・・だけど「嘘」は、観る人のために注意深く用意された「夢の色眼鏡」でもあるのですよ、
・・そこが浮世の面白いところで・・
・・「ニセもの」を「ホンもの」と言えば「嘘つき」だけれど、
・・ジャーナリズムを挙げて「ニセもの探し」を始めれば、
・・多くの人の「まなざしから」から「夢の色眼鏡」を引っぺがすことにもなりましょう。
・・そもそも温泉の「ニセもの」「ホンもの」は、イラクの大量破壊兵器ほど明快ではないのです。
・・・・・・・
・・ジャーナリズムが衰弱したのですねえ。
・・世の中の「なぜ」の部分を明らかにするのがジャーナリズムの仕事であったはずなのに。
・・そこを押さえないことには、起こっていることの正体がみえないのですよ。
・・・・・・・
・・とりあえず受けそうな結果を、われ勝ちに報じるのでは、
・・まるで単なる「アオリヤさん」でありましょう。
・・そもそも「温泉観光」とは何者であるか、それを問うて欲しいのです。
・・・・・・・
・・観光地とは「出会いの湯」だということです。
・・お客様と受け入れ側が「夢」と「期待」を持ち寄って、「出合う所」です。
・・そのときお客様が「夢」を膨らまし続け、
・・受け入れ側が「期待」にこたえ続ける・・・・・・ (掲載記事抜粋)

いつも、真実を見つめている人はいるものです。
すごい人の言葉を聞くと、またファイトが湧いてきます。
経営者は、その背筋を正すところから取り組まなくてはなりません。
温泉騒動は、温泉観光の真実を考えるには良いタイミングです。
宿が自分サイドからだけの都合で営業した結果が、温泉騒動なのでしょう。
しかし、中谷氏のすごいのは手前勝手な営業をさせた社会環境まで問うているところですね。
友人には、いつも「士・農・工・商・旅館・・だよ。」と言っておりますが、
常に期待に応えるのが宿命。・・宿命は「宿の命」と書きます。
ひとの疲れをとる・・これは、生半可なことではありません。
この生半可なことではないことを「生業(なりわい)」にしているのが旅館です。
オリンピックでブームになった・・『超、気持ちいい~』・・
そう、言って欲しくて頑張っているしだいです。

もう秋です。
もの思いには、もってこいの季節です。
じっくり考えて・・・コツコツ取り組む。
そんな秋にしようと思っております。

2004-08-21  自然はすごい・・バリ島の塩は旨い・・

まだまだ暑い日が続きます。
今年は昨年の冷夏とはうってかわって、猛暑です。
目の前のビーチは、毎日大賑わいです。
台風も例年より多い気がします。
おまけに台風の進路が妙だったり・・・
速度が極端に遅かったり・・・
記録的な、大雨が降ったり・・・なんか変です。
自然の力はすごいですね。
これだけの文明の世になっても自然の驚異からは逃れられません。
台風の去った後、海岸に降り立ち、この大きな石はいったいどこから来たのだろう・・
この大量の海藻はどこに自生していたんだろう・・と、様変わりしてしまった海岸に驚きます。
関係者総出で海岸清掃です。
一晩で打ち上げられた物を片づけるのに二日がかりです。
つくづく・・・自然はすごい・・・です。

ところで、別の意味で・・自然はすごい・・を感じてます。
今年の夏から、知人に勧められて『バリ島の天恵塩(てんけいえん)』という塩を使っております。
・・・南洋の神々の住むパラダイス・バリ島に太陽と海の贈り物として、
こだわりの伝統的製塩法で作られ、珍重されている、ほんまもんの天然海洋塩・・・
という、触れ込みでしたが、たかが塩、されど塩です。
弊店では、地魚の塩焼きが定番です。
素材もさることながら、用いる塩にもこだわってきました。
赤穂・・伯方・・世間で、うまいと言われている塩はたいがい使ってみました。
岩塩系の塩は、塩苦い・・感じ。海洋塩は塩辛い・・感じがします。
海洋塩と言っても、ほとんどが工場生産の精製塩です。
なかなか、これ! といった塩に巡り会いませんでした。
この天恵塩は、今まで使った中では一番粒子が粗くて、塩気がマイルドです。
バリ島の海水から天日乾燥のみで作り上げるそうです。
日本のように、最後に煮詰めて結晶にする工程は無いそうです。
バリ島の太陽は煮詰めることを必要としないのでしょう。
100%手作業です。
・・・この塩をなめてみると、その様子が思い描かれるような味です。
しょっぱいのはもちろんですが、爽やかなしょっぱさ・・
本当に、塩独特の苦みや辛みが本当に少ないのです。
天恵塩とは良く言ったものです。
天の恵み、自然の恵み、でしょう・・この味。
通常よりたっぷり塩をふって魚を焼き上げております。
「塩が多い」とか「粒の随分荒い塩だね」とか、おっしゃるお客様も多くいらっしゃいます。
でも、ほとんどのお客様は気づかないでしょう・・
おいしければそれで良いのです。
どんな料理にも合いますが、一押しのものは、塩からと塩焼きです。
ます酒にも、お付けする事にしました。
お酒の味が引き立ちます。
塩は大事ですね。
そして・・・自然はすごい・・です。
つくづく思いました。
ご賞味あれ・・

2004-08-03  初心に戻る・・

本当に久しぶりの、ひとりごとです。
前回から、4ヶ月以上も経ってしまいました。
私にとってはあっという間の4ヶ月でしたが・・・
リニューアル工事の仕上げから、オープン準備、搬入・・etc.
工事の時はいつものことなのですが、目の回るような忙しさです。
営業を続けながらの事でしたのでなおのことです。
体が三つ欲しい・・・一日が48時間欲しい・・・と、毎日思っておりました。
おかげさまで、何とか気に入った形の施設に仕上がりました。
何とかですが・・前々から望んでいた形になりました。
リニューアルの内容等については、HPでも少しづつ紹介させていただいております。

さて・・・形はできましたが、魂はまだです。
私も含めまして、スタッフは新しい施設に振り回されております。
使いこなすには少し時間がいるようです。
細かな部分での修正や工夫が必要です・・まぁ、これも当たり前のことなのですが・・・
施設に魂を吹き込む。
施設が本当に評価されるような営業内容が求められます。
いまだに、毎日飛び回っているのですが・・・
この点で、まだまだ・・・です。今まで出来ていたことができなくなったりするのです。
だいたい・・・おやじのひとりごとが言えないときは、自分を少々見失っている時。
日々に振り回されている時です。
要注意です。
宿の原点は、建物ではないと思っております。
しかし・・・思っているつもりでも認識不足。
宿は設備より、心!! だと、常々思っております。
今まで、お客様にご不便をおかけしながらでも、精一杯の応対でやって参りました。
一生懸命やれば、気持ちは通じます。
それが設備が少々良くなって甘えてしまっておりました・・・この一ヶ月・・・
建物がリニューアルなら、スタッフはリスタートです。
今一度、原点に戻って、日々のおもてなしを、お食事を、やり直したいと思います。
初心に戻る! です。

あまりの忙しさと、タイミングの悪さで・・・
せっかくお越し頂いた十数年来のおなじみ様に、ご挨拶もできぬままお帰りになってしまいました・・・
・・・残されたメッセージカードに、ご主人とお話ししたかった・・と、記してあると・・・
もう、自己嫌悪の固まりです。
申し訳ございませんでした。
・・・眠れぬ夜です。

何が大切なのかを・・もう一度考え直さなければいけません。
明日から・・今から・・心入れ替えて・・
初心に戻る・・です。

2004-03-26  さくら、さくら・・・今咲き誇る

春本番・・・なのに、毎日花冷えでしょうか?
咲く直前になっていた桜も、ここ2,3日は開花停止状態です。
チラ・・ホラ・・開花、です。
桜の名所は伊豆にもたくさんあります。近くでは伊豆高原の桜並木は有名です。
しかし、ここ伊豆多賀にも古くからの桜の名所があります。JRの伊豆多賀駅です。
JR伊東線、熱海駅から2個目の駅、熱海から7~8分で到着します。
JR東日本のカレンダーにも採用されていますし、以前は時刻表の表紙を飾ったこともあります。
ここの桜はかなりの老木で木も大きいです。
そのソメイヨシノは満開になると本当にそれはそれは見事なものです。
観光客というより地元住民のお花見スポットになっております。
この伊豆多賀駅は高台にありまして眺めも良いのですが・・・
今時こんな駅があるのか・・・と、思うほど何もない駅です。
タクシーもいない、土産物屋も無い、人もあまりいない。そんな駅です。
だからこそ・・・昨今では価値があると思うのですが・・・。
昨年までは、木から木へ提灯をぶら下げて昔ながらの桜並木でした。
提灯もあちこち傷み、数も減り、寂しくなってきました。
私が今、観光協会の役員を拝命しておりますので、今年はライトアップを企画しました。
ですが・・このご時世・・・予算がありません。
あっちこっち掛け合って何とか捻出して、実現に至りました。
25日から実施の予定で、準備ができたのが24日でした。
24日の夜。雨がシトシト降る、寒い夜でしたが、点灯試験。
電気設備の方と二人で、点灯!! 嬉しいものです。感動しました。
雨の中、つぼみをいっぱいにした枝枝が浮かび上がってきました。
『咲いたら・・見事だろううなぁ・・』
さっそく、協会の主立った方々に携帯電話。
『ライトアップ、きれいです。すぐ見に来てください。』
数分後、皆さんやってきて・・・
『いいじゃない!!きれいだよ。咲いたらもっとすごいぞ!! でも、座るところがない。いすを用意し
ないのかい?』
・・・・
『明日中に何とか・・・』(予算、余っていたかなぁ・・)
・・・・
灯りのともった桜を見る人はたくさんいても、桜に灯りをともす人は少ないのです。
でも、一歩ずつ・・少しずつ・・です。
近々、この駅から近所の高校まで、通学路にもなる桜の散策路が完成する予定です。
山の中腹を散歩道ができます。静かな多賀湾を見下ろして桜が咲き誇る様子が目に浮かびます。
自然にあるものと・・それを生かした開発。観光地には不可欠なものです。
地域に魅力があれば、宿にも魅力ができます。
地域ぐるみで皆さんにお越し頂けるようなものを作り上げていきたいものです。
美しい景色、美しい自然・・・どんなものも、かなわないと思います。
心が安らぐのです・・・・
満開になったら、あの桜の木の下で・・
♪♪さくら、さくら・・今咲き誇る・・♪♪ です・・ね。

2004-02-03  奴雁(どがん)たれ・・・

1月31日、2月1日と2日間、静岡県磐田郡豊岡村で開かれた『黎明(れいめい)フォーラム Ⅳ』に
参加させて頂きました。
コーディネーターを務める静岡県職員の溝口久氏に誘われてのことでした。
彼は私の学生時代の1期後輩で一昨年同窓会誌の寄稿をきっかけにメールをやりとりする(ほとんど受信
のみですが(笑))仲になりました。
話し始めると何時間もかかるくらい内容の濃い、そして素晴らしい方々の多く集まったフォーラムでし
た。
基調講演は大分県直入郡直入町長湯温泉の首藤勝次氏を講師に迎えての「湯煙の向こうに未来が見える」
でした。名前は存じ上げておりましたが、初めてお話を伺うことができました。
本当に前向きで素晴らしい方です。想像以上でした。
そのお話の中に『奴雁たれ』というくだりがありました。
奴雁であれ。というお話です。
雁は群れを作って行動します。どの群れにも一羽だけ奴雁と呼ばれる雁がいるそうです。
この雁は群れが餌場に降り立ち頭を下げて餌をついばんでいる間も、外敵から群れを守るべく頭を高く上
げ、餌には目もくれず四方を監視しているそうです。
異変を感じたり外敵を見つけると、群れに知らせて仲間を逃がす・・・そんな役目です。
猟師の雁猟はこの奴雁との戦いで、奴雁をだますことができれば群れを一網打尽にすることができます。
仲間のため、自己の欲求を捨て、知恵を絞っている外敵にも騙されずに努めを果たす姿を見習うべし。
・・・・聞き誤っていなければ、このような話なのですが、会社の中、地域の中、いろいろな立場でこの
言葉は活かされると思います。
懇親会では『乾杯!!奴雁たれ』と50がらみのおやじが熱っぽい眼差しで杯を交わしました。
他にも本当にご紹介したいようないい話、良い出会いが盛りだくさんでした。
不思議ですが、その時よりも帰ってきてからの方が日に日にその言葉が頭の中を駆けめぐります。
心に響く話だったのです。
誰かがやるだろうということは誰もやらないと氏はおっしゃってました。
宿造りをする。会社造りをする。それが地域造りに繋がれば本当に嬉しいのですが・・・。
できることからコツコツやろうと、心新たに思いました。
実践から生まれた言葉は重いものですね。
講演の終わりに、
『風の吹かぬ世はない、
 逆風の時はその風を胸一杯に受けて天高く舞う凧になれ、
 追い風の時は帆を一杯に張って進む舟になれ。』
と結ばれました。
旅館業は・・・熱海は・・・まさに逆風です。
糸の切れぬ凧になりたいものです。
日々心に命じようと思います。『奴雁たれ』と・・・。